2017/12/27

メキシコシティ (15)


メキシコシティの、砕けていて形式ばらないのどかな都市像は、どこかわたしの幼年期を掘り起こす手掛かりになっている。

きちんと舗装されていない、砂利と砂でできた家の前の坂道。
父の使いで往復20分も掛かる商店にたばこを買いに行っていたこと。(あのころセブンスターが180円くらいだったかな?)
自宅の庭の手製の焼却炉で、燃えるごみを燃やしていたこと。そしてそれは子供の仕事だったこと。

いま考えると、不便ながらも生き生きとした生活だったなぁと、メキシコシティを入り口に静かに思い出すことができている。