2017/08/16

中米への旅 -メキシコシティ Ⅺ-

<メキシコシティ XI>

私の敬愛する建築家の一人、*ルイス・バラガンの自邸がメキシコ市内にあり、予約制で見学することができる。
(入場料300ペソ=約1,800円)
昨日予約のメールを入れてみたところ「今週は予約でいっぱいです」との残念な返事がきた。

それならば外観だけでも観に行こうと宿を出たが、目的の住所に辿り着くが、バラガン邸がどうしても見つからず、諦めてその場を後にすることに…。

行きはメトロ(雰囲気が良くないので極力乗らないようにしてる)
で来たのだが、帰りは歩くことにする。

あまり期待せず、初めての街、初めての道を気の向くまま歩いて行ったのだが、ふと私の写欲にスイッチが入った。
通り、人、街の雰囲気のすべてが良い。

ここはサン ミギュエル チャプルテペックと言って、市内随一の広大なチャプルテペック公園の南に隣接し、コンデサ地区(若者に人気のお洒落なエリア)とタクバヤ駅(危険なエリア)に挟まれた地域だ。


どちらかと言えば貧しい人々が多く住む地域だが、それほど寂れている訳ではない。
個性の際立った3つのエリアに責められ、とても微妙なバランスの上に成り立っている地区のように私には思えた。

恐らく私は、こういう何とも形容し難い地域や場所が好きなのだな…と一人勝手に納得した。

今日の思いがけない“場所との出逢い”は、
自邸を観ることが叶わなかった事への、バラガン氏の天国からの温情だったのかな?と思うことにした。

*ルイスバラガン邸
2004年に世界文化遺産に登録される。
*ルイス・バラガン(1902-1988)
20世紀を代表する建築家。1980年 プリツカー賞受賞。